製品の提供範囲が広がってくると全体を一連のプロセスとしてデザインすることが難しくなってくる
実際に全体の一連の操作を、製品のプロダクトオーナー自身が熟知し、その人自身が、プロダクトに誰よりも触れている必要があります。製品の機能だったりを、実際に操作しながら、そのプロダクトオーナー自身が説明できないのだとしたら、プロダクトオーナー失格です。
誰よりもその製品、サービスに愛着を持ち、情熱を持っている存在として、プロダクトオーナーはあるべきだと思います。それがないのだとしたら、その人はプロダクトオーナーとして、チームにおいて果たせる役割はないでしょう。
しかも複数の役割や権限を持つユーザーが存在する製品、サービスを作る際には、登場人物ごとに臨むことが違うため、さらに複雑さが増します。それぞれの考えが違う人の立場に立って、考えることが求められるからです。
トレードオフになりやすい、入力項目を少しでも減らしてほしいという要望と、もっと細かい情報がほしいという要望の折り合いをいかにつけていくか?は手腕が問われます。シンプルであることを貫くことは困難を極めますし、集中して物事を思考していなければ、すぐにゴミゴミしたものが出来上がってしまいます。
なので、各セクションの責任者と誰よりもコミュニケーションをとる必要がプロダクトオーナーにはあります。
ビジネスチーム、開発チーム、デザインチーム、顧客、一般ユーザー、投資家。
あらゆる思惑や考えを持つ人と接触し、適切なコミュニケーションをとることが求められるようになります。
コミュニケーション能力って大事だよね!と、就活などで安易に言われる風潮もありますが、プロダクトオーナーに高いレベルでの、コミュニケーション能力が求められるのは事実だと思います。
ではそのコミュニケーション能力とは何か?というと、考え方も違い、多種多様な人たちに力を借り、一つの大きな方向に導く力なのだと思います。
ちょっと考えてみてください。
人にいいものを紹介することが得意で、好きな人もいます。
人に強い関心があって、相手が望むことをすぐに察することができる人もいます。
人には興味がないけれど、すごいものを作る力に長けている人もいます。
面倒な業務を自動化、効率化することが好きで、それに長けている人もいます。
得意分野や自分の関心のある分野が違えば、話をしていて、かみ合わないと感じたり、居心地が悪いと感じる方も多いのではないでしょうか?もはや男と女の違い、いや宇宙人くらいに違いがあると思った方がいいです。その違いを楽しめる人でありたいと思いますがw
ただある得意分野を持った人が、あいつには話がわからんとなると、違う得意分野を持った人たちと協力し、物事を推進することはできません。なぜなら、違う得意分野がなければ、物事は推進しないからです。
コミュニケーションの話も出しましたが、ここで同時にビジョンの大切さがあります。どんなに違ってもいい、多様性があってもいい。でも譲れない一つの信じるもの。
これがあれば、同じ方向に進むことができます。
コデアルという会社でいえば、
会社ビジョンは「テクノロジーで世界はもっと素敵にできる。」です。かかえているビジョンの通りで、私たちはテクノロジーを愛し、その可能性に対し、楽天主義な集団なのです。それだけはどんな職種の人であっても、共通しています。
そして、コデアルという会社で現在開発、運営している「コデアル」の製品ビジョンは、「いつでも、どこでも、働ける世界をつくる。」ことを目指しています。これを良しと感じる様々な得意分野を持つ人たちが、このような世界を実現させるサービスをよりよくしようとしています。
得意分野が違う人たちが強い推進力を持つチームほど強いものはありません。もっとより良いコミュニケーションを取れるようになりたいと心から思います。自戒を込めて。